【不動産コラム】「合名会社」で相続税対策をしましょう!
いぜんとして、不動産所有法人の活用が増えています。
これは節税などを考えた場合は当然のことだと思いますが、「高齢者」の方が「相続税対策」で「不動産所有法人」を設立する場合は、株式会社や合同会社ではなく、合名会社を検討する必要があります。
不動産の購入や建物を建築する場合には、借入金は必要不可欠だと思いますが、不動産所有法人の場合は、この借入金は当然ながら法人に帰属します。
一般的に個人の相続税を計算する上では、この借入金は法人の借入金なので「債務控除」できません。
(その個人としては、あくまで不動産所有法人の株式を持っている状態なので、その法人の株式が0円となるだけです。)
ただし、「合名会社」という無限責任の法人を不動産所有法人とした場合には、その合名会社の借入金は、個人の相続税の計算上、債務控除できます。
合名会社の経営者は、無限責任社員であるため、合名会社の財産をもってしても債務を完済することができない場合は、連帯して会社の債務を弁済する責任があるためです。
結論して、株式会社や合同会社を不動産所有法人とした場合の借入金は債務控除ができなく、合名会社の場合は債務控除ができます。
不動産所有法人は、資産(不動産)は相続税評価額にすると購入金額の50%以下となる場合が多くあります。
一方で、負債(借入金)はそのままの金額の100%評価されるため、債務超過になりやすく、株価の計算をすると0円なる場合が多くあります。
借入金の返済が進まない段階で相続が発生すると予測される方は、合名会社で不動産所有法人を設立して、個人の相続税の節税を図るのが、よろしいかと思います。
*債務控除・・・相続税を計算する上では、その人の借入金や債務・葬式費用などのマイナスの財産はプラスの財産(預貯金、不動産、株式など)から控除できます。
不動産所有法人の貸借対照表(相続税評価額ベース)のイメージ
資産 | 負債 | ||
---|---|---|---|
不動産の相続税評価額 | 4,500万円 | 借入金 | 1億円 |
★5,500万円分の債務超過額 | |||
個人の相続の際、株式会社や合同会社の場合は、この-5,500万円は債務控除できません。
合名会社の場合は債務控除が可能です。