不動産投資利回りとは
不動産投資の目的は何でしょうか?
それは、不動産に投資した額以上の資金を家賃収入によって回収できる、と期待しているからに他なりません。
その不動産の希少価値や値上がり益に期待している人もいると思いますが、
基本的には不動産投資した以上、その金額以上の資金回収が大切になります。
ここで重要なのは、「利回り」と「資金調達」です。
1.利回りとは
令和3年現在、普通預金の利息は0.001%です。
1億円の預入をしていたとしても、得られる利息は1年間でたったの1,000円。
ではこの1億円を収益不動産に投資した場合は、どうだろうか?
このような感覚で収益不動産を購入するとき、収益性が高いのか低いのかを判断するための指標が「利回り(又は表面利回り)」と呼ばれるものです。
収益性不動産のチラシには、必ず「満室想定利回り」などの文言で記載されています。
利回りの計算方法
年間家賃収入 ÷ 収益不動産の購入費 = 満室想定利回り
販売価額 | 1億円 |
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年間家賃収入 | 1,000万円 |
満室想定利回り | 1,000万円 ÷ 1億円 = 10% |
例えば、年間家賃収入1,000万円の収益不動産を1億円で購入した場合の満室想定利回りは、10%になります。
(単純計算で、10年で投資した1億円が回収できる計算です。)
この利回りは、不動産価格と相対関係にあります。
つまり、不動産価格が上がれば利回りは低くなり、不動産価格が下がれば利回りは高くなります。
2012年のアベノミクス、2016年のマイナス金利政策を経て、市中にお金が出回っている今は、不動産価格が高く利回りは減少傾向にあります。
2.不動産投資利回りの歴史
不動産鑑定において不動産の評価方法は、3つあります。
「原価法」「取引事例比較法」「収益還元法」です。
(1)原価法
その不動産を仮にもう一度取得した場合の再調達原価を求め、そこから減価修正を行ってその不動産の価格を求める方法。
(2)取引事例比較法
その不動産と近隣の取引事例を参考に、その不動産の価格を決定する方法。
近所の不動産が〇〇万円で売れた事例があるので、この不動産は○○万円
というアプローチです。
(3)収益還元法
その不動産の将来得られる賃料収入から逆算して現在の価格を求める方法。
つまり「利回り」によって不動産の価格が決まります。
2000年くらいまでは、取引事例比較法が主流でしたが、2001年にJ-REITが上場されて、今現在、不動産の価格は「収益還元法」が主流になっています。
これにより都心の人気がある物件は利回りが低く、地方にいくほど利回りは高くなります。
現在、都心部では3%程度、江戸川区などの下町エリアは8%程度、千葉方面にいくと10%~12%程度になります。
ちなみに香港、シンガポールのタワーマンションは1~2%程度なので、海外の人から見ると、日本の不動産は魅力的に見えるようです。